2021.09.14
SFCの不思議
半袖短パンとダウンジャケットの人が交錯する市街
SFCの街では暑い時も寒い時も季節に関わらず、半袖短パンの人とダウンジャケットをしっかり着込んだ人が入り混じって歩いていました。
当時の私の記憶では半袖短パンは白人系が多く、ダウンを着ていたのは東洋系が多かったです。
アメリカ映画の中では男性も女性もスラリとした人が多いですが、実際の街の中にはスラリとした人はほとんど皆無で、多方は肥満体型でした。
「アメリカの人はみんな太っていて、脂肪が厚いから寒くないのかな。」
そんなはずありません。
しかし、しばらく住んでみて自分なりに納得できました。
実はSFCのダウンタウンの位置にその理由があるのだと思います。
SFCはSFC湾の奥にあります。太平洋を挟んで、ちょうど東京湾と東京のような感じです。
太平洋の出口にあるのがあのゴールデンゲートブリッジです。SFCの海岸にはアラスカからの冷たい海流が流れていて、海風は夏でもとても冷たいです。SFC湾には脱獄できなくて有名なアルカトラズ島がありますが、その理由は湾内の海の水があまりに冷たくて、島から対岸まで泳ぐ間に皆死んでしまうからです。
一方、カリフォルニアの内陸部は砂漠が広がり乾燥していて、カンカン照りで、昼はとても暑いのです。ニュースではしょっちゅうカリフォルニアの山火事を報じていて、皆さんも聞かれたことはあるでしょう。
という訳で、ゴールドラッシュの時に東部から西へ西へと移住してきた人々は、太平洋で行き止まり、海側の寒さと陸側の暑さの移り変わる丁度良い温度のところに小さな町ができました。それが現在のSFCのダウンタウンなのです。
ところが、その後どんどん人口が増えて、半島の寒い海岸沿いや、内陸の暑い砂漠地帯にも人が住むようになりました。
東洋系の人は海を渡ってきたせいか、故郷に少しでも近い方が良いのか、太平洋側に多く住んでいるので、ダウンを着ている人が多かったようです。
一方、内陸の方は白人系の人が多く住んでいて、日中は半ズボンの方が快適なのでしょう。
ダウンタウンにはこれらの人がショッピングに来て入り混じるので、服装だけ見るとこのような不思議な光景になったのだと思います。
多田剛
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